第1章 展翅

1/27
前へ
/27ページ
次へ

第1章 展翅

「展翅(てんし)という言葉を聞いたことがあるか?」 翳った瞳がベッドに繋がれた僕を見下ろし唐突にそう尋ねた。 「なんです?」 征司お兄様は痛いくらいに張りつめた 僕の手首をすうっとなぞると――。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

92人が本棚に入れています
本棚に追加