第1章 展翅

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「展翅だよ」 その指をおもむろに僕の唇に含ませ言った。 「知り……ません」 聞き慣れない言葉。 弄ばれる小さな前歯の間から応えると 「だろうな」 退屈そうに指を引き抜き ベッドサイドの引出しに手を伸ばした。
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