岩山のひひ

3/3
8人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
ごりごりと石を潰している 申たちに向かって声をかける 「ウキ、久しぶりだなぁ ひひ、元気にしていたか」 群れの中の一人が 山の主のひひのようだ 周りを囲む猿たちは その声に一斉たち去った ゆっくりと 振り返る 首を傾げたひひに 驚いたのは申子だった 月日とは残酷であるに 決まっていて 申子の前にいる白髪の申は くしゃりと潰れた顔を 口に占領されたかのように ジャリジャリ歯を動かしている
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!