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「地獄耳が!また他人の案を我が物に…」
「丸く収まればいいでおじゃろう」
「玉袋先生は人が良すぎる…まったく、いつの間にか私のファッションを真似ていたり、アイツは前から気に入らん」
三斉流先生は素肌に着たレザーのレスリングウエアと新妻フリルエプロンを、わざとパンパン激しくはたき変先生を睨んだ。
「イナリ先生達ノ案ハ、素晴ラシイモノガデキソネ」
変先生の近くにいたアソコスキー先生が大きな声でそう言うと、自慢の縦ロールのもみあげを揺らし、長い鼻毛に指を絡めながら玉袋先生にウインクした。
「どういうことだ?」
校長が腕組みをし、そんなアソコスキー先生を見る。
「OH!簡単ネ♪イナリ先生ト三斉流先生ガtalkシテ、ソレヲ変先生ノdevil earガcatchシタダケヨ」
「なっ…失敬な!ぽっくんがパクったとでも?何を根拠に…」
「ワタクシ、聴力ハ特殊訓練デ1㌔㍍先ノ猥雑ナ音マデ聞キ取レルネ。イナリ先生ノ声ナラ精度ハ7.8割増…試シテミルカ?」
笑ってはいるものの、アソコスキー先生のシベリアタイガーのような眼力に、変先生は完全に威圧され言葉が出ない。
「我が校の教師でありながら、他人の案を我が物にするなど言語道断!!落武者の髪型で全身剃毛の罰を与えるぅっ!!」
校長の咆哮に変先生は飛び上がったまま失神し、何故かハウリングを起こしたのか甲高い機械音がスピーカーより吐き出され学校中に響き渡った。
生徒達は突然のポルターガイスト現象に震え上がり、抱き合ったままトイレに消えてしまう生徒がいたりとパニック状態だ。
「変には漢として責任をとってもらう。今回は新入生歓迎会の計画書を15分で提出せよ。その間は空気椅子鉛50㌔負荷付きだ」
変先生はハッと我に返り、震えながら空気椅子の体勢で計画書を書き始めた。
「アソコスキー先生に助けられたな…」
胸がスッとした顔の三斉流先生は、隣の玉袋先生の極太サラミがまるまる入るサイズまで鼻の穴が広がった締まりのない顔に、思わずあげそうになった悲鳴をこらえた。
「玉袋先生、顔が…」
「しまったでおじゃる…油断するとつい…」
「アソコスキー先生と二人っきりの時だけにしてもらわないと…」
「面目ないでおじゃる…」
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