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ドンッ!
落ちて来るまでにはあまり時間は掛からなかった。
しかし、キルアの持つ身体能力の高さのおかげで見事にキャッチした。
「ふぅ~」
「ありがとう、キルア」
「危ねぇだろが、落としたら!」
「でも、キルアはちゃんと受け止めてくれたよ」
笑顔で答えたゴンに、キルアは少し照れくさそうに「ああ」と答えた。
「ところで、その子大丈夫?」
ゴンが聞いてきたのは、キルアに受け止められた人物のことだった。
「・・・・・・」
「気を失ってるみたいだな」
「ん~、置いて行っちゃうのも可哀そうだし連れて行こう」
「ああ、そうだな」
キルアは、気を失っている人物を肩に担いだ。
「あっ、女の子にそんな担ぎ方じゃ駄目だよ」
「はぁ?(確かに・・・軽いけど・・・)」
キルアは確認の為に一度降ろし深く被っていたフードを取り顔を見てみることにした。
「あ・・・・・・」
確認したところキルアはゴンの言っていたことが正しいのだと分かった。
「いつ気付いたんだよ?」
「ん~、確信は無かったけど・・・一番初めにぶつかった時かな・・・」
ゴンは、空を見て考えながら話し始めた。
「初めて会った時に甘い香りがしてて気になってたんだよね」
「でいつ確信を持てたんだよ」
しみじみとしているゴンにキルアは少し苛立ちながら聞いた。
「ついさっきだよ」
「はぁ!?」
へらっと笑うゴンにキルアは呆気に取られてしまった。
「さっき空中で一瞬顔が見れたんだよ。だから、気づいたんだ」
「・・・・・・(すっかり忘れてたぜ・・・)
キルアは頭を抱え込んだ。
ゴンの身体能力は並はずれえてずば抜けている。
幼い頃から、森の中で遊んでいた為、嗅覚、視覚が並外れている。
その為、色々と役にもたってきた。
だからこそ、クラピカやレオリオからも信頼を寄せられている。
「それで、どうするんだよ?ゴン」
「ん?何が」
「コイツ」
キルアは少し呆れた様子でさっき下ろした女の子を指差した。
「ん~、とりあえず運んで二人と合流するのが先決かな」
そう言うとゴンは、女の子を抱き上げた。
「じゃあ、行くか」
キルアも立ち上がり、二人はクラピカ達と合流する為に歩き出した。
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