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~ その頃、レオリオとクラピカはというと… ~
「こりゃあ、酷いあり様だな」
「ああ、そうだな・・・」
二人の目の前には、氷漬けの身体と少し離れた所に首が転がっていた。
辺りには、血が一滴も飛び散っておらず、変わりに氷漬けにされた身体の首の辺りから薄っすらと血がにじんでいた。
数分前に戻る・・・
ゴン達と別れたクラピカとレオリオは、悲鳴の聞こえた方へと急いで向かった。
「こっちの方で合ってるんだよな?クラピカ」
「ああ、その筈だが・・・」
クラピカとレオリオが建物の角を曲がり路地裏へと入っていった。
「「!!」」
入ってすぐに目に付いたのは、氷漬けの人物だった。
しかも、その人物の身体には首から上が無くなっていた。
「くっ首が・・・!」
氷漬けの死体の傍に通行人が腰を抜かして座り込んでいた。
どうやら先程の悲鳴は、たまたま通りかかった通行人が上げたもののようだった。
「「・・・・・・・・・」」
クラピカとレオリオは、言葉を無くした様に呆然と見ていた。
「うっうわああああ!!」
「「!!」」
すると、立ち尽くしている二人の後ろから悲鳴が上がった。
どうやらクラピカ達以外にも悲鳴を聞きつけた人がいた様でぞろぞろと人が集まってきた。
「道を開けなさい」
人だかりの中から老婆が出て来て、クラピカの横に並んだ。
目の前にある死体を見て、老婆がポツリと呟いた。
「まだ、怒っておるのじゃな・・・」
「まだ?」
クラピカは、老婆の呟いた言葉に疑問を抱いた。
「さあ、皆家に帰りなさい。暗くなると危ないぞ、さあお戻り」
「で、ですが!!」
「・・・・・・」
「・・・わっ分かりました。さあ、行くぞ」
老婆は、近くに居た男に声をかけ野次馬達を帰らせた。
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