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少女は、氷のような瞳を持っていた・・・
ある街で今日は夏祭りで盛り上がっていた。
「キルア、早く!」
黒髪の少年がキルアと呼ばれる少年に声をかけた。
「そんな慌てると転ぶぞ、ゴン」
「大丈夫、大丈夫」
ゴンと呼ばれた少年は、キルアの方を向きながら手を振っていた。
「あっ!ゴン、危ない後ろ!!」
「へっ?」
ドンッ!
「きゃっ!」
「わっ!」
キルアが危ないと言ったが時遅く、ゴンは誰かとぶつかってしまった。
「あっちゃ~、大丈夫か?」
どうやら後ろ向きで歩いていたゴンの背中に走ってきた人物が正面からぶつかってしまったようだった。
「ごめん、大丈夫だった?」
「・・・・・・」
ゴンは、ぶつかってしまった相手に向き直った。その人物は、深くフードを被っていた。
「ねぇ、大丈・・・」
ゴンが、触ろうとするとその手を弾き、その子はキルアの横を通っていった。
「・・・・・・(あいつ・・・)」
「オレ、何か悪いことしたかな?」
ゴンは、立ち上がりながら言った。
「・・・ゴン」
「ん?」
キルアに呼ばれたゴンは、キルアの方を向いた。
キルアは、難しい顔をしていた。
「さっきのやつ・・・“血の匂い”がした・・・」
「え?俺には分からなかったけど・・・」
「俺には分かる。親父や兄貴と同じ匂いがしたから」
「でも、キルアは違うでしょ?」
キルアは、ゴンの一言で呆気にとられた。
「だってキルアは俺と約束してくれたもん」
ニカッと満面の笑みでゴンはキルアを見た。
「ゴン・・・」
キルアは、温かい気持ちになった。
それは、キルアにとってゴンは初めての友達だったからだ。
「はっ早く、祭りに行こうぜ///」
ゴンより前に出て照れたように口早にそう言って歩き出した。
「あ!待ってよ、キルア」
その日、ゴンとキルアは祭りを満喫した。
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