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~ 追いかけて行ったゴンは・・・~
ゴンは少し前を走っている相手を追いかけていた。
「ゴン!」
「キルア!」
後から追いかけてきたキルアが追いついてきた。
「ゴン、このまままっすぐ行くと崖があっただろ?あそこに追い込むぞ」
「(コクリ)」
昨日、祭りに行った際に見つけた町の端にある崖の事を言っていた。
その下には、川が流れていて落ちたら一溜まりもないと思えるほど流れの強い川だった。
そこに追い込むのだと分かったゴンは、大きく頷いた。
しばらくしてゴンとキルアはうまく誘導して崖まで追い詰めた。
「・・・・・・(アタフタ)」
崖に追い込まれたフードを着た相手は、端で慌てていた。
「あんた、何をそんなに慌ててんだよ」
「私は…」
俯いた相手の表情は、ゴンとキルアからは見ることが出来なかった。
しかし、声色からは何か思いつめたものがあるようだった。
そして上着から覗く手には赤い何かが付いていた。
意を決してゴンが聞いた。
「君が殺人事件の犯人なの?」
「!違う!」
ゴンの問い掛けに相手は力強く否定した。
「じゃあ、なんで慌てて」
「私じゃない!私がやったんじゃないの!」
相手はかなり取り乱していた。
「(怪しい・・・自分じゃないならなんであんなにも取り乱してんだ?
それにあの手に付いてるのはたぶん血だ・・・)」
「私じゃないの、私はやってない」
相手は一歩ずつ後ろに下がっていった。
「あっ!危ない!」
ゴンが叫ぶと同時に、相手が崖の端からずり落ちて下の川へと落ちて行った。
「ゴン!」
キルアの横に立っていたゴンが走り出していった。
ゴンは自分が持っていた釣り竿を振るった。
釣り竿の先が相手の手首に絡みついた。
「どりゃあああ!!」
ゴンは、叫びながら釣り竿を引いた。
引いた勢いで相手が空中に投げ出された。
「キルア、受け止めて!!」
「はあ!?」
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