0人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
すると、両親は娘に、言います。
「ランよ。そなたの婿はこの国で一番良い婿を探してあげよう。
そうして、そなたは幸せになるのじゃ。良いな。」
と父が言うのでした。
娘のランは素直に「はい、」と言うと、
恥ずかしそうに下を向いていた。
ランは、今まで恋というものをしたことがなかった。
ランの母親は、人を愛することを知らないまま
結婚する娘を見て可哀想になってきた。
母親は、本当にわが娘は愛を知らずに
幸せになれるのだろうかと、心配になった。
そんな母親の気持ちは、ランには分からなかった。
だって今まで好きになった人がいないから。
そんなある月夜の美しい夜にランは
小鳥の美しいさえずりに引寄せられて、
庭まで出てきていた。
最初のコメントを投稿しよう!