第1章

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すると、両親は娘に、言います。 「ランよ。そなたの婿はこの国で一番良い婿を探してあげよう。 そうして、そなたは幸せになるのじゃ。良いな。」 と父が言うのでした。 娘のランは素直に「はい、」と言うと、 恥ずかしそうに下を向いていた。 ランは、今まで恋というものをしたことがなかった。 ランの母親は、人を愛することを知らないまま 結婚する娘を見て可哀想になってきた。 母親は、本当にわが娘は愛を知らずに 幸せになれるのだろうかと、心配になった。 そんな母親の気持ちは、ランには分からなかった。 だって今まで好きになった人がいないから。 そんなある月夜の美しい夜にランは 小鳥の美しいさえずりに引寄せられて、 庭まで出てきていた。
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