【 不思議なチケット 】

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ある日の夕方、白崎 優花の元に郵便が届いた。 ピンポーン! 「はーい」 優花が家の玄関の鍵を開けると、いつもの郵便の人が立っていた。 「お届け物です」 「いつも御苦労さまです」 「いえいえ、今日は良いお天気ですから洗濯日和ですね」 「はい、そうですね」 優花は、いつもと同じような会話をして郵便の人と会話をしていた。 「まだまだ暑い日が続きますね」 「そうですね」 優花は、笑顔で郵便の人と会話をしているが内心は・・・ (うざいなぁ・・・早く帰ってほしい・・・) と思っていた。 「じゃあ、さようなら」 「さようらな」 優花は、郵便の人に挨拶をしてゆっくり扉を閉めた。 「ハァ・・・やっと帰ってくれた・・・」 ため息を付いてから居間へ向かった。 そこで、今日届いた郵便を確認しだした。 「今日は、小包が一つと手紙が一枚…」 ガシャーン!! 優花が小包を開けようとした時、台所の方から窓ガラスが割れるような音が響き渡った。 慌てて見に行ってみると、どうやら紙の貼ってある石が外から投げ込まれたようだった。 その石には、『死ネ』と書かれていた。 「まただ・・・誰がこんなことを・・・」 優花が、割れている窓ガラスからチラリと外を窺うと近所にいる人たちが此方をジロジロと見ていた。 近所の人たちは、何やらか話しているようでコソコソと此方を見ながら話していた。 「!・・・」 ジロジロと見てくるその眼に耐え兼ねて、優花はカーテンを閉め暗い居間へと戻って行った。 そして部屋の隅でうずくまった。 優香には身に覚えもないのに何やら悪い噂が流れているせいで近所から嫌がらせが起こっている。
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