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「もう嫌だ・・・いつまで続くのこんなこと・・・」
うつむいた瞳からは、透き通った滴が流れ落ちた。
1年前から続いている近所からの嫌がらせに優花の身も心も疲れ果ててきていた。
「・・・こんなところで泣いてたって何も始まらない・・・
何も終わらない・・・」
優花は頬を伝っていた涙を拭くと、窓ガラスの破片と投げ込まれた石を片づけ郵便の確認を始めた。
「まずは、小包から・・・・・・・・・!!」
小包を開けてみると、中身は田舎に住んでいる叔母からの贈り物だった。
入っていたのは、蜜柑に林檎といったフルーツなどが入っていた。
「おばあちゃん…」
続いて、手紙の方を開けてみた。
「・・・・・・」
宛人は、何処に住んでいるかわからない母からの手紙だった。
“ 娘へ
お金に困ってるからいくらか貸して
必ず返すから
私の子供なら母親を助けるのは同然のことでしょ
母より ”
優花が幼い頃、男を作り父を捨て出て行った母。
男手一つで育ててきてくれた父は、優花を育てるために朝も夜も休まず働き続け優花が『もうやめて!』と何度も言っていたが等々過労のため数年前に亡くなった。
どうやら父は、優花を育てるために働いていた。
しかし、その半分以上のお金は、母の懐に転がり込んでいた。
転がり込んだお金は、優花の予想だが多分新しい男に流れて入ったんだと考えている。
そして今回の手紙で、要求されたお金も男の元へ転がり込むのだろう・・・
「何が・・・何が母親よ!誰も好きであんたの娘に
なったわけじゃない!!」
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