第1章

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「次も、よろしくなー」 半裸の部長がベッドの窓際で煙草を吸いながらが言う。 紫煙が目に染みる。 「…奥さんいるくせに」 まだ、行為後のふわふわとする頭で憎まれ口を叩く。 自分も共犯者なのを棚に上げて。 「いいんだよ、嫁さんも大学生としてるから。」 部長のこういう大雑把で寛容的な所、嫌いじゃないけど奥さんは嫌だろうな、と思う。 女って多分、そういう物だ。 自分はいいけど人はダメ そんな、感じ。 いつから始まったか分からないこんな関係。会社じゃ普通に上司と部下だし、別に相手は、部長だけじゃない。 寧ろ社内は部長だけ。 「上手くやって下さいね、部長」 「相変わらずだな、淡白で可愛げがない。」 「部長に、可愛げなんて見せませんよ。 もう行きますね。また会社で。部長は寝ますでしょう?」 ワンピースを頭から被り、 数時間後にー、と手を振る。 おー、 と、笑いながらヒラヒラと手を振る部長は歳の割に若くて、可愛いな、と思う。
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