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「ねみ……」
ベッドから降り青いラインがあしらわれているブレザーに袖を通しネクタイを手早く結び階段で1階に降りる。
ダイニングテーブルの上に置かれていたパックに少し魔力を流し冷凍食品ならぬ魔力式圧縮食品の朝食向け和定食をつつきながら指先で魔素を操作し親が残したメモの文章を目で追う。
「今日は帰らないのか……」
むぐむぐとしば漬けを白米に乗せ一気に頬張りながら一人ごちる。
同じ魔力式圧縮の洋定食のパックが捨ててある辺り姉は今日早く出たのだろう、家に人の気配がないのが何よりの証拠だ。
さっさと定食を食べきりパックを捨てると鞄を抱え測定器がついたリストバンドを右手首に着け玄関に向かいスニーカーを履く。
「いってきまーす」
誰に告げるわけでもなく習慣のように挨拶を無人の家に向け放ち玄関のドアを開け外に出て鍵を掛け戸締まり確認をすると軽快にマンションの廊下を駆けエレベーターに乗り込むと制服の右ポケットからケースを着けたスマホを取り出しSNSアイコンをタップするとタイムラインが表示される。
どうやら友人達も学校に向かい出したらしくタイムラインに「学校だるい」や「めんどくせぇ」や「眠いー」等の呟きが残されている。
エレベーターが下に着いた丁度の時、いつも一緒に学校に行く友人が待ち合わせ場所の交差点に着いた事を呟いてたのを確認するとスマホをポケットに仕舞い駆け出した。
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