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――起きた瞬間に感じたのは“自分”を見失った様な違和感だった。
「なんじゃ…妙に体が重いのぅ。」
ちりちりと項に走る不快さを態と無視しながら執務室に向かう。
何時もなら直ぐに着く筈の自室から執務室の距離が長い。
「まさか……!」
ざっ、と血の気が引いたのを感じつつ一歩踏み出し異能を発動。
だが。
「嘘……でしょ?」
自身の異能“一歩の歩数で四歩の距離を進む”。
其が発動しない。
「え、ちょっと待ってホントに?」
トンっ、トンっ……と跳ねる様に足を進めても全く異能は発動せず。
「うわ……これマズイな。みんなを呼ばなきゃ……」
そう呟き、ニオは執務室へと駆け込んだ。
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