第零章~神龍誕生~

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目を覚ましたのは白一色の世界。何も存在していない。壁も、天井も、さらには床さえも存在していない 生まれて約二十年、この様な情景は一度も見たことが無かった これほどに漂白された世界は、清廉さを通り超えて気持ち悪さすらも感じる 「やっと、起きよったか」 体を少しだけ起こし、視線を向けた先には一人の男。翼が生えていること以外は、これと言って、これと言って……特徴のない いや、認めよう。この男はイケメンであると 世に言うロン毛というよりもはるかに長い髪でありながら、その髪型に鬱陶しさはなく、清潔感が漂ってくる綺麗な金髪である 服装は古代ローマ時代、つまりどこかの濃い男が演じていた映画の様だ。こんな何もない世界にも風呂はあるのだろうか? まあ、何にせよ、翼の飾りを付けた男は変…… 「変態ではないぞ!」 心を読んだのか? こやつできる!
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