桜ロマンス

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武術を学んでいたからこそ、正当防衛以上のことはせず、主に防御に徹していたのだが――相手を追い払うタイミングを読み間違え、受けてしまった傷である。そんな訳でちょっと恥ずかしかったりするが、今の仕事では周囲にプレッシャーを与える役に立っているので、本人としては別に気にしていない。 しかし、夢見る青少年のチャンスを奪ってしまうとなれば話は別だ。 周囲の危惧は解るのだが、同じ男として気の毒だと思った。だからこの話が来た時、辞退して他の女性ボディガードに任せようとしたのである。
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