桜ロマンス

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そして、事務所のデスクで苦手な書類仕事に取り組んでいると、テレビでニュースが始まった。 テレビに映る真理は、細身のタキシードに身を包んでいた。昼間の格好とのギャップに微笑み、創は缶コーヒーに口をつけたのだが――。 「陛下の手厚いおもてなしと、ただいま述べられた歓迎のお言葉に感謝を申し上げます」 「……っ!?」 吹き替えか、と思うくらいの流暢な日本語での挨拶に、創はたまらず飲んでいたコーヒーを噴き出し、報告書を一枚駄目にしたのである。
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