桜ロマンス

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「えっ?」 「~~、アベール、~~、マリ!」 「……真理、さん?」 苗字で首を横に振り、再び『マリ』と言って己を指差した少年に、ようやく相手のミドルネームだと気づく。もしや、と言うよりまさか、と思いつつその名を口にすると、眼鏡越しでも解るくらい、青い目をキラキラ輝かせて頷いた。 正直、国賓に対してフランクどころではない気がするが、本人が呼ぶように言っている(らしい)ので、今だけは従おう。
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