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トプロスの口を突いて出た疑問は彼からすれば至極当然のものだった。トプロスの所属していた部隊と連絡が取れない状況ということは、ジオン軍が宇宙から降ってきたタイミングよりも後になってからということだ。
それほど急に決まったということは何らかの理由があるはずだった。
「それは・・・、あれだよ。
君の北米での戦果は詳しく見せてもらったよ。立派なものではないか、5回の出撃中ジオン軍のザクⅡを2機撃破、3機を中大破させている。それも、出撃5回の内、ガンナーとして出撃したのは2回だ。」
トプロスにはこの男が何を言っているのか分からない。確かにこの男が今読み上げた戦果は誰のものでもないトプロスのものだ。しかし、それがこの配属換えとどんな関係があるというのだろうか?
「すみませんが。話している意図が良く分かりません。」
「単純な話だよ。それだけ君が優秀だということだ。分かるかね?上等兵。」
准将が諭すように続けた。
「宇宙軍からは出来うるだけ優秀な者をという注文を付けられている。そんな中で目に留まったのが君だ。」
「はぁ。」
「正直、宇宙軍から要求された人数を満たすことが出来ずに困っていたところだったのだよ。そんなときに君の戦果を目にしてね。」
鈍い反応を見せるトプロスに対してしどろもどろになりながら准将は話を続けた。
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