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「それで君に白羽の矢を立てたというわけだよ。」
「つまり、俺は人数合わせの為に選ばれたということでいいんですね?」
トプロスの口から思っていたことが思わず零れ出る。
「君、人数あわせとは心外なことを言う。決して人数あわせなどではないぞ。決してな。」
念を入れるように語る准将の口ぶりは明らかに動揺の色を見せていた。
「現状は理解しました。ですが疑問もあります。」
「なんだね?」
トプロスからそれ以上の追及がないと知り、あからさまにほっとした表情を見せる准将に、内心苛立ちを感じながら准将の促すままにチワワからこちら感じていた疑問を口にした。
「この時期の配置換えは一体何が目的なのでしょうか?
俺には具体的なことは一切知らされてはおりません。宇宙における反攻作戦でもあるのでしょうか?」
「さてな、宇宙軍の動き全てが私の耳に入っているわけではないよ。
ただ、宇宙軍からは新兵器の為のパイロットを育てるのだということだけ聞いている。まぁ、ともかく行ってみることだ。」
それだけ言うと、准将は面倒臭そうに再びデスクに座った。
頃合いと判断したトプロスは准将に対して敬礼を行うと准将のオフィスを後にした。
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