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トプスと呼ばれた上等兵は戦車長に分からないように苦虫を噛み潰したような表情を見せると、その表情をすぐに消し何事も無い様に返事をしてみせる。
「何のことですか?
それにしても遅いですね中隊長のところは・・・。」
連邦政府とジオン公国との協議は昨年の末に物別れに終わり、年が明けてすぐの1月3日にジオン公国は連邦政府に対して宣戦布告を行った。ジオン公国軍は宣戦布告とともに各コロニーサイドへ艦隊を送り込み、これを制圧、瞬く間にサイド1・2・4の支配体制を確立していた。その後、サイド2のコロニー、アイランド・イフィッシュを地球へと降下させた。これが1月10日のことだ。
ジオン軍がコロニーを地球へと降下させたことによる影響は予想以上に大きく、一説にはこのコロニー降下によって地球に住んでいた人類の1/3が失われたという。
この戦闘に勢いをつけたジオン軍は、ラグランジュ1に残されたサイド5にその攻撃の矛先を向けた。サイド5は先の戦闘において唯一ジオン軍が攻撃対象としなかったサイドでもある。このサイド5、通称ルウムにおいて戦端が開かれたのは1月15日のことだった。
この戦闘でも敗戦を喫した連邦軍は、以降ジオン軍に制宙権を譲り渡すことになる。
そんな中、地球連邦政府とジオン公国との間で休戦条約締結の会談が行われる運びとなったのだが、捕虜となっていたレビル提督の演説によってこの休戦協定は物別れに終わる。
南極で行われたこの会談は戦時条約のみを締結するに至るのみだった。この時結ばれた条約は南極条約と銘打たれることとなるが、それは前線の兵士たちに取っては今まで存在していたハーグ協定に毛の生えた程度のものでしかなかった。
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