初対面での〇〇合い

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「どうでもいいのにな、本当は」  ぽつりと鼻先に雫が落ちた。 雨が、降り始めている。 耳元でうるさく騒ぎ立てるそれも、喧騒を消すには至らない。 「お前のことなんて、本当はどうでもいいのにな」  それは無関心とは少し違う。 「知らねぇもん、お前のことなんて」  うん。 「俺の先祖は俺じゃない」  その通りだ。 「お前の先祖はお前とは別人だ」  その通り。 「だから、さ――」
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