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嶋沢が唐突に俺の左手を掴む。
その行動にドキッと心臓が跳ねた。
「……嶋沢?」
そのまま外灯の下に連れて行かれる。
「深崎(ミサキ)先輩、そこに座ってください。」
「え?」
嶋沢の言葉に意味がわからなくて。
「いいから、座ってください。」
嶋沢の強い言葉に、とりあえず木の周りを囲ってあるレンガの上に腰を下ろした。
嶋沢は急に俺の顔を覗き込んでくる。
驚いて顔を背けようとすると……
「動かないで。」
顔を両手で挟まれる始末。
突然のことにまた痛みが現れ、顔が歪む。
あっ、と言葉を漏らし、嶋沢は俺の顔から両手を離した。
「ごっごめんなさい……
傷の状態を知りたくて……」
「有難う。」
申し訳なさそうに謝る嶋沢に素直な気持ちを伝えた。
嶋沢は小さく微笑んで顔を横に振った。
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