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そしてもう一度、顔を覗き込んでくる。
「あの時は、そんなに青くなかったのに……
時間が経ったからかな?」
嶋沢の口振りから自分の顔の状態を想像する。
だけど
そんなことより
俺の脳ミソを支配するのは……
嶋沢が俺の顔に触れる。
遠慮気味に触れるその指先の体温を感じ、俺の顔はまた熱を帯びる。
「ここ……右の眉毛のすぐ上、結構切れてる……
私、部室から救急箱持ってきます。」
嶋沢の優しい手が俺の顔から離れていく。
嫌だ。
俺の傍に居て欲しい。
その優しい手を欲望のままに掴んだ。
「え……?」
嶋沢と視線が重なる。
そのまま嶋沢の手を引っ張り身体を引き寄せた。
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