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「お前ら…ふざけんなよなぁ…はぁ、胃もたれが…」
端鞠は今日も快晴です。
日向とかんなが教室に入ると皆揃っているみたいで各自好きなことをしていた。
日向が席に着くと同時にガラッと教室の扉が開く、そこには気持ち悪そうな顔をした隼人が立っていた。
そしてさっきの言葉を発したのである。
いや、隼人はこれだけでは収まらないのかお腹を押さえながらまた文句を言う。
「俺が食いたかったのは柏餅!なんで葉っぱが巻いてあるただの餅なんだよォ…おかげで昨日から胃もたれが治らねェじゃねーか!」
「先生…全部食べたんですか?」
「ったりめーだろ!食べ物粗末にできねーしよォ…」
「餡子が無い柏餅美味しかったですかー?」
「南子…あとで覚えとけよ…」
「……!!」
「ぷぷぷっ…」
「太一、お前もだァ…」
「……!!」
「しょうがねぇ…お前ら連帯責任で俺の仕事の手伝いな」
「それってまさか…!!」
「おう、田植えの手伝い」
皆の顔が無表情になったのを見た日向とかんなは目線を合わせて首をかしげた。
それを見ていた隼人は日向とかんなに説明する。
「学校の敷地にある田んぼで田植えをしてもらうからなァ!いやー、毎年面倒くさかったんだよなー。マジで助かるわァ」
隼人はニヤリと厭らしい笑いを浮かべながら顎をかいている。
日向はきょとんとした顔でかれんに田んぼの規模を聞くとかれんは眉間に皺を寄せて教えてくれた。
「グラウンドの前にずっと田んぼが続いてるでしょう?」
「ああ、あの大きい田んぼな。あの大きさだと大変だよなーっていつも思ってたんだけど…まさか!」
「あの大きな田んぼは学校で管理しているものよ」
「ええ…!? ジーチャンの田んぼの5倍くらいあるんだけど!」
「そうなんだよなァ…だからお前ら今から頑張れよー。」
隼人はニタニタした顔で教卓から離れると教室を出て行った。
今日は快晴、こんな暑い太陽の下田植えをやらされると思うと日向は顔から血の気が引いた。
隼人の仕返しは大人げないものだった。
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