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「かんなの家って何処なんだ?前に聞きそびれたからさ」
「あ、小川のそばだよ!」
「送ってくよ」
「え!?」
「……あ!別にかんなの家の場所が知りたいとかそんな変態的な理由じゃないから!…ただ心配でさ…。」
日向が焦りながら頬をポリポリ掻いている姿を見てかんなはうーんと悩み始めた。そんな様子を見て日向は無理ならと声をかけようとするとかんなが口を開いた。
「私ね正直家があまり好きじゃない…両親いないって前に話したよね、だから一人ぼっちの家にあまり帰りたくないの…。」
「……。」
日向は目を見開いて驚いた様子だったが頭をガシガシと掻いてごめんと呟いた。
「ううん!気にしないで! だからまた日向の家に遊びに行っていいかな?」
「だったらさ!」
「…なあに?」
「……俺のとこに同居すればいいんじゃないか?」
日向はかんなから目線を逸らしながら言う、その顔は真っ赤になっていてかんなもつられて顔が熱くなる。
「……それってもしかしてプロポーズ?」
「なっ!?」
「…ふふふっ!冗談だよー。でもいいの?」
「…母さんになんて言われるかわからないけどいいさ。」
「……うん!」
かんなを見て日向は胸がドキドキと脈を打った。かんなは凄く嬉しそうに微笑んでいて頬が赤く色づいていて可愛らしい。
日向はかんなの頭を撫でて笑い返すとかんなも嬉しそうだった。
(俺、かんなの事……好きなのか。)
日向はその感情が恋だと気づいた瞬間、体が熱くなった。
頭のてっぺんから足の先まで熱くなり思わず口元を手で覆いかんなから目線をそらす。
かんなはそれを見てどうしたの?と声をかけて来たが日向は自分の心臓のバクバクとした音を聞かれるんではないかと必死に抑えようとした。
「……ストップ、かんな」
「日向?」
「………よし、行こう!」
「?…うん!」
日向は深呼吸をしてかんなに声をかけるとかんなは嬉しそうに隣を歩く。
かんなはさっきより軽やかな足取りで隣を歩いていて微笑ましかった。
(…同居の事、母さんにどう説明すればいいか…)
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