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「孫が1人増えるのぅ…」
「かんなちゃんじゃ大歓迎じゃのぅ…」
「私も可愛いお嫁さんが嫁いでくれて嬉しいわー」
「えへへ…!!」
「いやいや!嫁いでないからな!?」
日向はこの和みすぎた空間に冷や汗をかいていた。
ジーチャンもバーチャンも申し出を受け入れてくれるのは嬉しかった日向だったが日陰のせいでどんどん話が逸れて行き気づくとかんなが日向に嫁ぐと言う話にまでなっていた。
バーチャンはプルプルした体で玄関まで歩いていきサンダルを履いて出て行き、ジーチャンも電話の前に行き何処かに電話をかけ始めた。
日陰はケラケラ笑いながらかんなと話している。
(俺、まだ高3なんだけど…って嫁入りとか冗談なんだよな…?)
日向は呆然と立っているとジーチャンの電話の声が聞こえてきた、それはもう大きい声で楽しそうに話している。
「おー、そうじゃ! 孫に嫁さんが出来てのぅ」
「はぁ!?」
日向は固まっていた思考を無理矢理動かしてダッシュでジーチャンのところに行き電話を切ろうとするとジーチャンは相手に挨拶をしてタイミングよく自分から切った。
ジーチャンはニコニコしながらのっさらのっさら座布団の上に移動して座るとお茶をすする。
「ジーチャン…今電話したのって…」
「いつもの飲み友達じゃよ」
「あの人ってお喋りなのよねー、もうそろそろ端鞠全体に広まるかもね」
「……。」
「日向?どうしたの?」
固まった日向を見てかんなが首を傾げるが日向は口から魂的な何かが漏れていた。
かんなは日陰に助けを求めようと目線を送るとゲラゲラ笑っていた。
「日向! 大丈夫?」
「かんな…俺明日からやばいかもしれない…」
「え?」
「……ロリコン認定だ…」
「??」
「…でもまぁ、かんなが幸せって思える空間が出来たんならいいか」
「日向…」
「これから宜しくな、かんな」
「…うん!!」
日向とかんなが笑い合っているのを陰から見守る日陰はよーし、と何処かに電話をし始めた。
ジーチャンは幸せそうな2人の孫を見て今夜は宴会かと思いながらズズッとお茶を一口飲んだ。
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