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宴会がお開きになり来客が居なくなった居間はすっかり綺麗になっていた。
お風呂を済ませたかんなと日向はさっきの光景が頭から離れていないせいかなんだかお互いぎこちない。
あの後、日陰を寝室に運んだ隼人はすぐに家に帰ったようだ。バーチャンとジーチャンがありがとうと隼人に挨拶をしているのを見かけた。
バーチャンは手拭を持ちながら日向とかんなに声をかけた。
「もう寝たほうが良いんじゃないかい」
「あー、うん。そうする」
「うん、おやすみなさい!」
バーチャンはニコニコしながら日向とかんなにおやすみと言いヨタヨタとジーチャンと自分達の寝室に入っていった。日向は居間を出て階段を登り自分の部屋に入ると何故かかんなもついて来ていた。
「ひなた…」
「…!! どうした?」
「…あのね日向は…キスってした事ある?」
「…え!?」
やっぱりその話かー!!と顔を赤くする日向はとりあえずベッドに腰をかけるとその横にぴったりとかんながくっついて来た。
かんなは日向を見上げているその顔は少し大人っぽくて日向は目線を逸らそうとするが逃げちゃダメとかんなに注意される。
(この状況…ヤバイって…!!)
日向はバクバクと胸の高鳴りにあせり始める。
理性を保て!と頭に刻み込み深呼吸をする日向だがおいうちをかけられる。
「私は日向としてみたいな…キス…」
「…!!!」
かんなの瞳はなんだが潤っていてその瞳を見ていると日向は無意識にかんなに手を伸ばしそうになるが理性を保ちながらその手をかんなの頭にのせた。
かんなの頭をポンポンと撫でて日向は心を落ち着かせるとかんなに言う。
「かんなが、大人になったら、だな」
落ち着いたかと思っていた日向だがあまり落ち着いていないようだ。
言葉が途切れてしまいなんだか格好悪くなってしまっていた。日向はトイレ行ってくると言い部屋から出て行ってしまいかんなは1人部屋に残される。
「逃げた…日向のばーか」
かんなはぷうっと頬を膨らませて日向の布団に潜り目を閉じた。
日向が何故トイレに駆け込んだかの理由も知らずに。
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