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「おはよー!」
「……かんな、腹の上に乗るのはやめてくれ」
目を開けるとかんなが日向のお腹の上に跨って挨拶をしてきた。
日向がため息をついて冷静さを装っているがかんなから爆弾発言。
「日向、ここだけなんか硬いんだけど」
「かんなさんお願いします!!退いてください!!」
全力でお願いするとかんなは首を傾げてる。
そして日向の冷静になれていない部分を鷲掴みにした。
「」
「なんだろ…あれ、日向!? 大丈夫!?」
鷲掴みされた日向はあまりの出来事に目の前が真っ暗になった。
「日陰さん!! 日向が口から泡吹いて倒れちゃったー!!」
端鞠高校前。
意識を取り戻した日向はかんなと一緒に登校した。
日向とかんなが校舎に入ると隼人が壁に背中を預けた状態でこちらをニヤニヤしながら見ていた。
「来たか」
「あ、香川先生おはようですー」
「おはようございます、朝から安定した悪人面ですね」
「うるせェ…お前ら今日一日大変だぜ、頑張れよ」
ニヤニヤしながら煙草吸って来ると言いながら歩いていってしまった隼人を首をかしげながら見ていたかんなは何のことだろうと呟いた。
それを聞きながら日向は背筋に悪寒が走った。
「日向ぁぁぁあ!!」
「グヘッ!!!」
教室のドアを開けた瞬間かれんが日向の胸倉を掴んで来た。
かれんの後ろには紫とかりん、茜がいて少し離れたところで笑っている太一と南子、東が避難していた。
かれんは掴んだ胸倉を勢いよく手前に引いた。
至近距離になる日向とかれんだがそんな甘い状況ではない。かれんの表情が般若と化していたからだ。
「あんた…かんなと婚約したんですって!?」
「……出遅れた」
「え?紫ちゃん今なんか言いました?」
「…なんでもない」
「しかももう…し…初夜を経験されたとか!」
「はぁ!?」
「くく…くんずほぐれつな関係とか!!」
「茜、なんかオヤジ臭いぞ」
「太一さんは黙っててください!!」
「とにかく! どうなのよ!! 日向!!」
女子達の鬼の血相になんだかわからない日向は激しく揺すぶられ本日二回目の失神をした。
目の前が真っ暗になる前にかんなの心配した顔がチラリと見えた。
「日向ー!」
「…ご愁傷様」
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