第1章 地球

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〇需要と供給〇 「なるほど~。年齢のわりに背がチビッコだけど、そーいや、もうワタル君もエッチなことを考えてムラムラするような年頃っすよねっ」 能天気な秋葉原は納得顔をして頷いた。 「……」 博士は困惑顔をして黙り込んでいる。 「あ。その宇宙パワー集めないと勿体無いっすね。宇宙パワーも最近、値上げ値上げで貴重なんすからっ」 秋葉原は急いでコンピューターデスクに向かった。 宇宙パワーは地球で宇宙生物が活動するために必要不可欠のエネルギー源だが、 何故か地球人が用いても健康に有効なのだ。 疲労回復。 冷え症。 荒れ性。 神経痛。 リウマチ。 ニキビ。 しっしん。 うちみ。 くじき。 肩凝り。 腰痛。 痔。 あらゆる症状に効果があるのでスポーツ選手や芸能人に愛用者が多い。 元々、一般庶民には高嶺の花の高値だが、最近では供給が間に合わずに予約しても手に入るのは半年先だという。 「…何をしてるんだ?」 熱心に調べ物を始めた秋葉原に博士が訊ねた。 「決まってるじゃないっすか。エロエロ画像を観せてワタル君に宇宙パワーを発生してもらうんっすよっ」 カチャ。 カチャ。 キーボードを打ち込むと、画面には男女のエロエロ画像が映し出される。 「ワタル君の年齢でロリコンってことないっすよねっ。…やっぱ、あれかなっ?年上の女学生っすかねっ?」 カチャ。 カチャ。 画面には教室で猥褻行為に耽る女学生と教師の姿が映し出された。 『…はぁ…ん。ん…。…もぉ…ふぁ…あ…』 『グチョグチョこんなに濡れて、…イケないコだな…』 『…だって…。…先生の…指が…ふぁ…ん…』 『口答えをするなっ。体罰だっ』 『…ぁあ…っ』 ついつい、秋葉原も博士も画面に見入ってしまう。 コトン! コンピューターデスクの上から秋葉原のオヤツのチュッパチャプスが床に転げ落ちた。 「…はっ…」 博士はハタと我に返って、 「ば、馬鹿者っ。こんなもの、まだワタルには早いっ」 プチ! 叩き消すように画面をOFFにしてしまった。
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