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〇濃縮カプセル〇
「あ、そうだ。忘れたといえば、宇宙パワーの濃縮カプセルを忘れちゃって、まいったよ~」
サルメンダーは照れ隠しに頭をポリポリと掻く。
『あ、それなら、わたしがバイクのBOⅩの中に入れといてあげたわよぉ』
「え?無かったけど…」
サルメンダーは首を捻る。
さっきBOⅩを開けた時には、コンビニのレジ袋以外のものは何も無かった。
『あら。確かに入れたわよぉ。…ねぇ?』
母親は振り向き、ハウスキ-パーロボットに確認した。
『ハイ。確カニ濃縮カプセルヲバイクBOⅩニ入レテイマス』
ロボットも頷く。
母親の証言だけでは疑わしいがロボットも確認しているのなら本当に入れたのだろう。
(…おかしいな。…まさか…、何者かに盗まれた…?)
サルメンダーの顔からスーッと血の気が引いた。
東京を探索中にバイクを降りたのはコンビニでカップヌードルとじゃがりことミルクティーを購入した時と、
体内の宇宙パワーがダウンして倒れていた時だ。
(…ど、ど…、…どうしよう。濃縮カプセルは1個でも充分に宇宙怪獣を活動させてしまうというのに…)
もし、潜伏中の宇宙怪人の手に渡ったら…。
(うわぁ~~、ど、どうしよう~~)
一刻も早く、濃縮カプセルを見つけ出さなければ。
サルメンダーは大急ぎでバイクに乗って、
ウィ~ン。
宇宙船BL号を飛び出し、
ブルン!
ブルン!
東京上空を旋回した。
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