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〇宇宙怪人〇
一方、
都内某所。
コンビニエンスストア。
深夜の午前過ぎで店内には客もいない。
ピロリン♪
ピロリン♪
「ウィ~ッシュ!!」
細身のイケメンが店内に入ってくる。
「…ん?何だ?お前、Ⅹか?」
棚の前で商品の陳列をしていた店長らしき男がそのイケメンを睨んだ。
「そう。H隊長、どうっすかねぇ~?」
Ⅹと呼ばれた男はクルリと回転してみせる。
「…来いっ」
H隊長と呼ばれた男はイケメンXの腕を掴んで事務室に入った。
「駄目っすか?地球の日本人の平均的イケメンで検索したらぁ、この男にHitしたんでぇ~。ちょ~っと変身してみちゃったんすけどぉ~」
Ⅹはフフフンと得意げに茶髪を掻き上げた。
「Ⅹぅ。お前はそんな馬鹿げた変身のために、貴重なパワーを浪費したのか…」
H隊長は憤怒で眉根を寄せた。
その顔はまるで庶民的なオヤジの見本のように平凡な中年男の顔だ。
「だって、俺達、どうせ変身しなきゃ外も自由に歩けないじゃないっすかぁ」
Ⅹは不満顔だ。
「で?イケメンに変身して何をしてきたんだ?」
嘆息してH隊長が訊ねる。
「え、へへ…。ちょ~っと風俗にぃ。やっぱし、イケメンだとサービスも違うっすねぇ~」
Ⅹはニヤニヤと思い出し笑いをする。
「…風俗だとぉ…?」
H隊長はカァッと眼を剥いた。
「我々が地球に降り立ったのは地球征服という尊い目的達成のためであって地球人と乳繰り合うためではないっ」
ガツ!!
H隊長の鉄拳がⅩの頬に飛ぶ。
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