第1章 地球

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〇宇宙戦士〇 「…なるほど…、これは善人の宇宙人のほうだ。彼はどうやら宇宙戦士のようだなっ」 横たわっているサルメンダーを見て飯田橋博士は断言した。 「…宇宙戦士……?」 ワタルの大きな眼がキラキラと輝いた。 宇宙戦士が宇宙怪獣を退治したニュースはTVで観ていたから知っている。 でも、それは5年くらい前にエジプトで怪獣を退治した時のニュースだ。 ここ最近、世界中どこにも宇宙怪獣は出現していない。 「とにかく彼を研究所に運ぼう。…おう~い、秋葉原~」 博士は左手首のリストバンド型の交信機に声を掛けた。 応答が無い。 「秋葉原のヤツ。昼寝でもしてるのか…」 博士は舌打ちし、研究所へ助手の秋葉原を呼びに戻っていった。 「…昼寝って、もう夕方なのに…」 やれやれという調子でワタルは吐息する。
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