Act.1

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「じゃあ映見ちゃんお疲れ様ぁ~。 来週から楽しんでねぇ百夜通い」 満面の笑みでタクシーの窓から手を振って、楠田部長は帰って行った。 走り出して行くタクシーのテールランプを見つめながら再び大きく肩で息をつく。 全く…部長と言い瀬那川と言い、なんで今更。 だって瀬那川だって、一緒に仕事をしてもうじき5年。 本気で口説くつもりなら、今までだってチャンスはあったはずだし。 って言うか、他の女子社員は口説いてたし。 やっぱり瀬那川の百夜通いの件は、女のくせに上司である私をおちょくるだけの遊びに違いない。
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