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それを背中で確認した楠田部長がクルリと振り返って私を見た。
「映見ちゃん、どんだけ干からびてもいいから、あーいう女になっちゃダメよ」
「なりませんよ」
「だわね」
いやー楠田部長カッコいいです。
そう言ってあげたいところだけれど、楠田部長はカッコいいと言われるのが一番嫌いなのだ。
「楠田部長」
「なぁに?」
「プリティーです」
私の言葉に満面の笑みを見せた楠田部長は、再び靴を鳴らして開発部のオフィスのドアを開けた。
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