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「知らないな」
そう答えた瀬那川に紺野君はクスリと笑って「そうですか」とだけ言った。
なんだこの重々しい空気は…。
何か別の話題に変えた方がいいかもと頭を巡らせていた瞬間、私の足が何かに囚われる。
「うぁぁっ！」
思わず声をあげながら転びそうになった身体を力強い腕に抱え込まれた。
「何やってんの？！」
慌てて私を支えた瀬那川が見つめた先には、排水溝の溝にしっかりと挟まって脱げてしまった私のヒール。
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