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「1本にするっ!」
言ってしまった瞬間、瀬那川の口角が緩やかに持ち上がる。
「はい、りょーかい」
再びおでこに吹き付けられた言葉に刃向っていた私の腕の力が抜けて、それと同時に密着していた瀬那川も離れた。
「スーツ取って来ます」
クスッと笑ってエントランスを通り越し、クリーニング店に入って行く瀬那川の背中を見つめながら思う。
ビールの本数も減らされたし、有坂小雪の話もすっかりはぐらかされてしまった。
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