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けれど部屋に入るのにドアの鍵を開けながら思った。
確かにどうせ毎日来るんだったら鍵を渡しても同じかな。
いや…でも自分の部屋のスペアキーを渡すという事は、瀬那川の百夜通いを完全に受け入れたと思われる訳で…。
「絶対スペアなんてあげないから」
「はいはい」
軽く交わされて、部屋に入った瀬那川はスーツを脱ぐとシャツの袖をまくってそのままキッチンに立つ。
…そのシャツの袖をまくるしぐさがズキュンと胸に来たのもきっと気のせいだと自分に言い聞かせながら、私はベッドに投げっぱなしだったくたびれた部屋着を慌てて隠していた。
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