Act.11

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カナダのバンクーバーまでのフライトは約9時間。 その間、私と友哉は交互に眠りに入っていたようで、ほとんど会話もないまま空港に降り立った。 「ホテルのチェックインを済ませてから、小麦工場に行こう」 「うん」 タクシーに乗り込み向かったのはダウンタウンの大きなホテル。 「映見の分もチェックイン済ませて来るから、ちょっと待ってて」 ラウンジに私を残し、フロントに向かった友哉の背中を見つめながらふと思う。 そう言えば、今回の出張でのホテルの手配とか、いつもなら部長がやってくれるんだけど…今回は何も言ってなかったな。
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