Act.12

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その時、私の携帯が静かな部屋の中にバイブ音を響かせた。 「あ…」 きっと瀬那川だ。 けれど後ろから回された腕に囚われた私の身体は自由が利かなくて、つい縋るように友哉を見つめてしまったその瞬間。 ふいに緩んだ友哉の右手が私の顎をするりと撫でて捕まえた。 「映見…ごめん」 「え?」 一瞬、何が起こったのかすら理解出来なかった。
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