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「俺の実家は先祖代々続いてる食品関係の会社なんだけど、今は親父と兄貴がそれを受け継いでくれていて、ハッキリ言って俺の居場所なんてないんです」
「え?」
「だから大学を卒業してこの会社に就職したのも、次男の俺には全く後継なんて考えてない親父からの一言でした。
蓮都は自分の生きたいように生きればいいって」
そう言って瀬那川は初めて見せる寂しそうな瞳で小さく笑った。
「ぶっちゃけショックでしたよ。
俺だって瀬那川家の一員なのに、いらないよって突き放されたんですから」
…予想外だった。
だって、てっきり瀬那川は資産家の娘である有坂小雪さんと会社を継ぐために結婚…って思ってたから。
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