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「言いませんから。津川課長にも誰にも」
「え?」
「階段の下で待ってる人のこと」
俺の言葉に黒田さんは気まずそうに笑ってからため息を吐くとその事実を打ち明けた。
「付き合ってる訳じゃないんだよ俺達は。お互いの利害が一致してるだけなんだ」
「いいんじゃないですか?それで」
正直この時の俺は黒田さんと三浦晴香の関係には全く興味もなかったから。
「だけど彼女が気まずいだろうから。
俺は8号車なんで別の車両に席を取ってやって下さい」
表情も変えないまま、そう言って俺は新幹線の改札を通り抜けた。
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