1127人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ
「自分は龍都から奪ったのに彼女を幸せに出来なかった。
だからもう恋する権利なんてないんだって言って…男を捨てた」
「…ウソだろ?あの楠田が?」
「嘘だと思うなら自分の目で確かめて来いよ」
俺の言葉に兄貴は立ち止まったまま、隠せない動揺をあからさまに見せていた。
そして俺は兄貴に自分が感じた思いをありのままに言葉にした。
「楠田部長は自分がオネエになる事で、自分を守ってるような言い方をしていたけれど、本当はあの会社の派閥抗争から津川映見を守っているんだと思う。
だから楠田部長からも、俺からも津川映見は絶対に奪わせないよ」
最初のコメントを投稿しよう!