Act.19 Side Rento

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「冴子と出会ったのは大学のサークルだった。 瀬那川ちゃんと小雪って子と同じような感じかな。 当時の自分は女に全く興味なんてなくてね。 まぁ瀬那川ちゃんもそのマスクじゃそうだっただろうけど、黙ってても女が言い寄って来るし、面倒くさいだけの存在だったよ」 いつものオネエ口調ではなく、本当に男に戻った楠田部長に驚きが隠せない俺。 けれど、この人がオネエの仮面を脱いで素で俺にこうして接してくれるのはそれだけ信用してくれているからだと思う。 だから俺はビールを飲むのを辞め、真っ直ぐに楠田部長の瞳を見つめながら話を聞いた。
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