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「しかし冴子はとても優しい女だった。
だから心に龍都がいても、決して彼女は龍都の元には戻らなかった。
自殺未遂した自分を必死に支えようとしてくれた俺を裏切れないと思っていたんだろうね。
だけどさ…やっぱり分かるよな」
「……………」
「自分の惚れてる女が、本当は誰を求めてるのか。
だから俺は…自分がオネエだってカミングアウトして冴子と別れたんだ。
もう一度龍都とやり直して欲しくてね」
「…え?」
噂では聞いていた楠田部長の過去。
出世のために会長の娘を利用したとかって話だったけど、当然俺はそんなの信じてなかったし何かの間違いだとは思ってた。
だけどまさか…兄貴のために?
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