1124人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ
それでも…。
「蓮都、龍都を止められるのはお前しかいないんだ」
寂しそうに呟く親父の瞳を見つめるたびに俺は言葉を飲み込む。
「分かってるよ父さん。
俺も何かいい方法がないか考えてみるから…。
兄貴に何を言われても、絶対に社長から退かないこと」
俺の言葉に黙ったまま目を伏せた親父が無性に小さく見えたけど。
どうしたら…兄貴が納得してくれるのか。
その答えは結局見つけられないまま、俺は翌朝静岡を発った。
最初のコメントを投稿しよう!