1214人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ
長い長いキスの後、ようやく理性が戻って来た俺は彼女から唇を離した。
見下ろした彼女は、幸せそうな微笑みを浮かべたまま眠っている。
貪り続けてしまった彼女の唇は、いつもより微かに赤みを帯びていて、無性に申し訳なく感じた。
まるで初めて女とキスをして、止まらなくなったガキみたいな自分の行動を深く反省しながら、眠っている彼女の首元に腕を差し込み添い寝する。
俺の腕枕に安心したのか、コロンと寝返りを打った彼女が俺の胸に顔を寄せた。
胸元からふわりと香って来る彼女の匂いにまた眩暈を感じる。
この時間が永遠ならいいのに。
けれど彼女が起きる前に、この部屋を去らなければいけないと自分に言い聞かせながら、俺はそっと瞼を閉じた。
最初のコメントを投稿しよう!