Act.26

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けれどここ何年も社内で私を「映見」って呼び捨てなんかしなかった彼が、今どんな思いで私をそう呼んだのかも同時に気づく。 だからあえて私は振り返って彼をこう呼んだ。 「黒田さん、お疲れ様です」 「…………」 「カナダでは色々とお力を貸して頂きありがとうございました」 深々と頭を下げた私に友哉はひとつため息をつく。 「瀬那川君…大変だったね」 「…はい」 「ずっと…そばにいたの?」
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