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俺の隣でポンポンと言い合う葉月と黒田君を正面の三浦晴香はどこか不愉快そうな表情を浮かべながら淡々とビールを口に運んでいる。
やはり俺の予想通り、三浦晴香はこんなにも顔に出してしまうほど黒田君に惚れているのだろう。
しかし黒田君はと言うと、とても三浦晴香と肉体関係を持っているとは思えないくらい微妙な距離感を保って彼女に接している。
それはつまり黒田君にとっての三浦晴香は…ただの駒でしかないと言う現実が垣間見えた。
けれど俺はこういう黒田君は決して嫌いじゃない。
いつもどこか冷めた瞳をしている彼だけど、その瞳が色を帯びる瞬間を俺は知っている。
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