Act.28 Side Ayumu

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そう、津川映見を見つめる時だけは…。 黒田君の瞳は優しさと慈愛と…とてつもない幸福感を纏うのだ。 それは黒田友哉という男が、津川映見という女を深く愛している証拠。 そして彼女を愛し続けることが、己を泥沼の底まで落とさない唯一の命綱なのだ。 俺には今の黒田君の気持ちが痛いくらい分かる。 龍都から冴子を奪い、傷ついた彼女を深く愛することで己の罪悪感に蓋をし続けたあの時の俺と…今の黒田君は同じ目をしている。 しかし相変わらず俺の横から黒田君とテンポよく言い合いする葉月を無言のまま見つめている三浦晴香の瞳が無性に気になった。
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